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第五十条:製造許可の基準
第一類物質のうち、令別表第三第一号1から5まで及び7に掲げる物並びに同号8に掲げる物で同号1から5まで及び7に係るもの(以下この条において「ジクロルベンジジン等」という。)の製造(試験研究のためのジクロルベンジジン等の製造を除く。)に関する法第五十六条第二項の厚生労働大臣の定める基準は、次のとおりとする。
一 ジクロルベンジジン等を製造する設備を設置し、又はその製造するジクロルベンジジン等を取り扱う作業場所は、それ以外の作業場所と隔離し、かつ、その場所の床及び壁は、不浸透性の材料で造ること。
二 ジクロルベンジジン等を製造する設備は、密閉式の構造のものとし、原材料その他の物の送給、移送又は運搬は、当該作業を行う労働者の身体に当該物が直接接触しない方法により行うこと。
三 反応槽については、発熱反応又は加熱を伴う反応により、攪拌機等のグランド部からガス又は蒸気が漏えいしないようガスケット等により接合部を密接させ、かつ、異常反応により原材料、反応物等が溢出しないようコンデンサーに十分な冷却水を通しておくこと。
四 ふるい分け機又は真空ろ過機で、その稼動中その内部を点検する必要があるものについては、その覆いは、密閉の状態で内部を観察できる構造のものとし、必要がある場合以外は当該覆いが開放できないようにするための施錠等を設けること。
五 ジクロルベンジジン等を労働者に取り扱わせるときは、隔離室での遠隔操作によること。ただし、粉状のジクロルベンジジン等を湿潤な状態にして取り扱わせるときは、この限りでない。
六 ジクロルベンジジン等を計量し、容器に入れ、又は袋詰めする作業を行う場合において、前号に定めるところによることが著しく困難であるときは、当該作業を作業中の労働者の身体に当該物が直接接触しない方法により行い、かつ、当該作業を行う場所に囲い式フードの局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けること。
七 前号の局所排気装置については、次に定めるところによること。
イ フードは、ジクロルベンジジン等のガス、蒸気又は粉じんの発散源ごとに設けること。
ロ ダクトは、長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少なく、かつ、適当な箇所に掃除口が設けられている等掃除しやすい構造とすること。
ハ ジクロルベンジジン等の粉じんを含有する気体を排出する局所排気装置にあつては、第九条第一項の表の上欄に掲げる粉じんの粒径に応じ、同表の下欄に掲げるいずれかの除じん方式による除じん装置又はこれらと同等以上の性能を有する除じん装置を設けること。この場合において、当該除じん装置には、必要に応じ、粒径の大きい粉じんを除去するための前置き除じん装置を設けること。
ニ ハの除じん装置を付設する局所排気装置のファンは、除じんをした後の空気が通る位置に設けること。ただし、吸引された粉じんによる爆発のおそれがなく、かつ、ハの除じん装置を付設する局所排気装置のファンの腐食のおそれがないときは、この限りでない。
ホ 排気口は、屋外に設けること。
ヘ 厚生労働大臣が定める性能を有するものとすること。
八 第六号のプッシュプル型換気装置については、次に定めるところによること。
イ ダクトは、長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少なく、かつ、適当な箇所に掃除口が設けられている等掃除しやすい構造とすること。
ロ ジクロルベンジジン等の粉じんを含有する気体を排出するプッシュプル型換気装置にあっては、第九条第一項の表の上欄に掲げる粉じんの粒径に応じ、同表の下欄に掲げるいずれかの除じん方式による除じん装置又はこれらと同等以上の性能を有する除じん装置を設けること。この場合において、当該除じん装置には、必要に応じ、粒径の大きい粉じんを除去するための前置き除じん装置を設けること。
ハ ロの除じん装置を付設するプッシュプル型換気装置のファンは、除じんをした後の空気が通る位置に設けること。ただし、吸引された粉じんによる爆発のおそれがなく、かつ、ロの除じん装置を付設するプッシュプル型換気装置のファンの腐食のおそれがないときは、この限りでない。
ニ 排気口は、屋外に設けること。
ホ 厚生労働大臣が定める要件を具備するものとすること。
九 ジクロルベンジジン等の粉じんを含有する気体を排出する製造設備の排気筒には、第七号ハ又は前号ロの除じん装置を設けること。
十 第六号の局所排気装置及びプッシュプル型換気装置は、ジクロルベンジジン等に係る作業が行われている間、厚生労働大臣が定める要件を満たすように稼動させること。
十一 第七号ハ、第八号ロ及び第九号の除じん装置は、ジクロルベンジジン等に係る作業が行われている間、有効に稼動させること。
十二 ジクロルベンジジン等を製造する設備からの排液で、第十一条第一項の表の上欄に掲げる物を含有するものについては、同表の下欄に掲げるいずれかの処理方式による排液処理装置又はこれらと同等以上の性能を有する排液処理装置を設け、当該装置を有効に稼動させること。
十三 ジクロルベンジジン等を製造し、又は取り扱う作業に関する次の事項について、ジクロルベンジジン等の漏えい及び労働者の汚染を防止するため必要な作業規程を定め、これにより作業を行うこと。
イ バルブ、コツク等(ジクロルベンジジン等を製造し、又は取り扱う設備に原材料を送給するとき、及び当該設備から製品等を取り出すときに使用されるものに限る。)の操作
ロ 冷却装置、加熱装置、攪拌装置及び圧縮装置の操作
ハ 計測装置及び制御装置の監視及び調整
ニ 安全弁、緊急しや断装置その他の安全装置及び自動警報装置の調整
ホ ふた板、フランジ、バルブ、コツク等の接合部におけるジクロルベンジジン等の漏えいの有無の点検
ヘ 試料の採取及びそれに用いる器具の処理
ト 異常な事態が発生した場合における応急の措置
チ 保護具の装着、点検、保管及び手入れ
リ その他ジクロルベンジジン等の漏えいを防止するため必要な措置
十四 ジクロルベンジジン等を製造する設備から試料を採取するときは、次に定めるところによること。
イ 試料の採取に用いる容器等は、専用のものとすること。
ロ 試料の採取は、あらかじめ指定された箇所において、試料が飛散しないように行うこと。
ハ 試料の採取に用いた容器等は、温水で十分洗浄した後、定められた場所に保管しておくこと。
十五 ジクロルベンジジン等を取り扱う作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に作業衣並びに不浸透性の保護手袋及び保護長靴を着用させること。
2 試験研究のためジクロルベンジジン等の製造に関する法第五十六条第二項の厚生労働大臣の定める基準は、次のとおりとする。
一 ジクロルベンジジン等を製造する設備は、密閉式の構造のものとすること。ただし、密閉式の構造とすることが作業の性質上著しく困難である場合において、ドラフトチエンバー内部に当該設備を設けるときは、この限りでない。
二 ジクロルベンジジン等を製造する装置を設置する場所の床は、水洗によつて容易に掃除できる構造のものとすること。
三 ジクロルベンジジン等を製造する者は、ジクロルベンジジン等による健康障害の予防について、必要な知識を有する者であること。
四 ジクロルベンジジン等を製造する者は、不浸透性の保護前掛及び保護手袋を使用すること。
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【 更新日: 2011-10-22】