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4 作業管理

 作業者が、心身の負担が少なく作業を行うことができるよう、次により作業時間の管理を行うとともに、作業の特性や個々の作業者の特性に応じたVDT機器、関連什器等を整備し、適切な作業管理を行うこと。

(1)作業時間等

イ  一日の作業時間

(イ)作業区分A

   別紙における「作業区分A」に該当する作業に従事する者(以下「作業区分Aの作業者」という。)については、視覚負担をはじめとする心身の負担を軽減するため、ディスプレイ画面を注視する時間やキーを操作する時間をできるだけ短くすることが望ましく、他の作業を組み込むこと又は他の作業とのローテーションを実施することなどにより、一日の連続VDT作業時間が短くなるように配慮すること。

(ロ)作業区分B

   別紙における「作業区分B」に該当する作業に従事する者(以下「作業区分Bの作業者」という。)についても、同様に、VDT作業が過度に長時間にわたり行われることのないように指導すること。

ロ  一連続作業時間及び作業休止時間

(イ)「単純入力型」及び「拘束型」

   別紙における「作業の種類」の「単純入力型」及び「拘束型」に該当する作業に従事する者については、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けること。

(ロ)(イ)以外の型

   別紙における「作業の種類」の「単純入力型」及び「拘束型」以外の型に該当する作業に従事する者については、同様に作業休止時間及び小休止を設けるよう指導すること。

ハ  業務量への配慮

   作業者の疲労の蓄積を防止するため、個々の作業者の特性を十分に配慮した無理のない適度な業務量となるよう配慮すること。

(2)VDT機器等

イ  VDT機器の選択

   VDT機器を事業場に導入する際には、作業者への健康影響を考慮し、作業者が行う作業に最も適した機器を選択し導入すること。

ロ  デスクトップ型機器

(イ)ディスプレイ

   ディスプレイは、次の要件を満たすものを用いること。

a  目的とするVDT作業を負担なく遂行できる画面サイズであること。

b  フリッカーは、知覚されないものであること。

c  ディスプレイ画面上の輝度又はコントラストは作業者が容易に調整できるものであることが望ましい。

(ロ)入力機器(キーボード、マウス等)

a  入力機器は、次の要件を満たすものを用いること。

(a)キーボードは、ディスプレイから分離して、その位置が作業者によって調整できることが望ましい。

(b)キーボードのキーは、文字が明瞭で読みやすく、キーの大きさ及びキーの数がキー操作を行うために適切であること。

(c)マウスは、使用する者の手に適した形状及び大きさで、持ちやすく操作がしやすいこと。

(d)キーボードのキー及びマウスのボタンは、ストローク及び押下力が適当であり、操作したことを作業者が知覚し得ることが望ましい。

b  目的とするVDT作業に適した入力機器を使用できるようにすること。

c  必要に応じ、パームレスト(リストレスト)を利用できるようにすること。

ハ  ノート型機器

(イ)適した機器の使用

   目的とするVDT作業に適したノート型機器を適した状態で使用させること。

(ロ)ディスプレイ

   ディスプレイは、上記ロの(イ)の要件に適合したものを用いること。

(ハ)入力機器(キーボード、マウス等)

   入力機器は、上記ロの(ロ)の要件に適合したものを用いること。ただし、ノート型機器は、通常、ディスプレイとキーボードを分離できないので、小型のノート型機器で長時間のVDT作業を行う場合については、外付けキーボードを使用することが望ましい。

(ニ)マウス等の使用

   必要に応じて、マウス等を利用できるようにすることが望ましい。

(ホ) テンキー入力機器の使用

   数字を入力する作業が多い場合は、テンキー入力機器を利用できるようにすることが望ましい。

ニ  携帯情報端末

   携帯情報端末については、長時間のVDT作業に使用することはできる限り避けることが望ましい。

ホ  ソフトウェア

   ソフトウェアは、次の要件を満たすものを用いることが望ましい。

(イ)目的とするVDT作業の内容、作業者の技能、能力等に適合したものであること。

(ロ)作業者の求めに応じて、作業者に対して、適切な説明が与えられるものであること。

(ハ)作業上の必要性、作業者の技能、好み等に応じて、インターフェイス用のソフトウェアの設定が容易に変更可能なものであること。

(ニ)操作ミス等によりデータ等が消去された場合に容易に復元可能なものであること。

ヘ  椅子

   椅子は、次の要件を満たすものを用いること。

(イ)安定しており、かつ、容易に移動できること。

(ロ)床からの座面の高さは、作業者の体形に合わせて、適切な状態に調整できること。

(ハ)複数の作業者が交替で同一の椅子を使用する場合には、高さの調整が容易であり、調整中に座面が落下しない構造であること。

(ニ)適当な背もたれを有していること。また、背もたれは、傾きを調整できることが望ましい。

(ホ)必要に応じて適当な長さのひじ掛けを有していること。

ト  机又は作業台

   机又は作業台は、次の要件を満たすものを用いること。

(イ)作業面は、キーボード、書類、マウスその他VDT作業に必要なものが適切に配置できる広さであること。

(ロ)作業者の脚の周囲の空間は、VDT作業中に脚が窮屈でない大きさのものであること。

(ハ)机又は作業台の高さについては、次によること。

a  高さの調整ができない机又は作業台を使用する場合、床からの高さは作業者の体形にあった高さとすること。

b  高さの調整が可能な机又は作業台を使用する場合、床からの高さは作業者の体形にあった高さに調整できること。

(3)調整

 作業者に自然で無理のない姿勢でVDT作業を行わせるため、次の事項を作業者に留意させ、椅子の座面の高さ、キーボード、マウス、ディスプレイの位置等を総合的に調整させること。

イ  作業姿勢

(イ)椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。また、十分な広さをもち、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えること。

(ロ)椅子と大腿部膝側背面との間には手指が押し入る程度のゆとりがあり、大腿部に無理な圧力が加わらないようにすること。

ロ  ディスプレイ

(イ)おおむね40cm以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように必要に応じて適切な眼鏡による矯正を行うこと。

(ロ)ディスプレイは、その画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい。

(ハ)ディスプレイ画面とキーボード又は書類との視距離の差が極端に大きくなく、かつ、適切な視野範囲になるようにすること。

(ニ)ディスプレイは、作業者にとって好ましい位置、角度、明るさ等に調整すること。

(ホ)ディスプレイに表示する文字の大きさは、小さすぎないように配慮し、文字高さが概ね3 mm以上とするのが望ましい。

ハ  入力機器

   マウス等のポインティングデバイスにおけるポインタの速度、カーソルの移動速度等は、作業者の技能、好み等に応じて適切な速度に調整すること。

ニ  ソフトウェア

   表示容量、表示色数、文字等の大きさ及び形状、背景、文字間隔、行間隔等は、作業の内容、作業者の技能等に応じて、個別に適切なレベルに調整すること。

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【 更新日: 2011-10-22

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