ホーム>学習コーナー>学習コーナー>労働安全衛生法第六十六条の五第二項の規定に基づく健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針>就業上の措置の決定・実施の手順と留意事項>(5)その他の留意事項
(5)その他の留意事項
イ 健康診断結果の通知
事業者は、労働者が自らの健康状態を把握し、自主的に健康管理が行えるよう、労働安全衛生法第66条の6の規定に基づき、健康診断を受けた労働者に対して、異常の所見の有無にかかわらず、 遅滞なくその結果を通知しなければならない。
ロ 保健指導
事業者は、労働者の自主的な健康管理を促進するため、労働安全衛生法第66条の7第1項の規定に基づき、一般健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対して、医師又は保健師による保健指導を受けさせるよう努めなければならない。この場合、保健指導として必要に応じ日常生活面での指導、健康管理に関する情報の提供、健康診断に基づく再検査又は精密検査、治療のための受診の勧奨等を行うほか、その円滑な実施に向けて、健康保険組合その他の健康増進事業実施者(健康増進法(平成14年法律第103号)第6条に規定する健康増進事業実施者をいう。)等との連携を図ること。
深夜業に従事する労働者については、昼間業務に従事する者とは異なる生活様式を求められていることに配慮し、睡眠指導や食生活指導等を一層重視した保健指導を行うよう努めることが必要である。
また、労働者災害補償保険法第26条第2項第2号の規定に基づく特定保健指導及び高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第24条の規定に基づく特定保健指導を受けた労働者については、労働安全衛生法第66条の7第1項の規定に基づく保健指導を行う医師又は保健師にこれらの特定保健指導の内容を伝えるよう働きかけることが適当である。
なお、産業医の選任義務のある事業場においては、個々の労働者ごとの健康状態や作業内容、作業環境等についてより詳細に把握し得る立場にある産業医が中心となり実施されることが適当である。
ハ 再検査又は精密検査の取扱い
事業者は、就業上の措置を決定するに当たっては、できる限り詳しい情報に基づいて行うことが適当であることから、再検査又は精密検査を行う必要のある労働者に対して、当該再検査又は精密検査受診を勧奨するとともに、意見を聴く医師等に当該検査の結果を提出するよう働きかけることが適当である。
なお、再検査又は精密検査は、診断の確定や症状の程度を明らかにするものであり、一律には事業者にその実施が義務付けられているものではないが、有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)、鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号)、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)、高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)及び石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)に基づく特殊健康診断として規定されているものについては、事業者にその実施が義務付けられているので留意する必要がある。
ニ 健康情報の保護
事業者は、雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針(平成16年厚生労働省告示第259号)に基づき、健康情報の保護に留意し、その適正な取扱いを確保する必要がある。就業上の措置の実施に当たって、関係者に健康情報を提供する必要がある場合には、その健康情報の範囲は、就業上の措置を実施する上で必要最小限とし、特に産業保健業務従事者(産業医、保健師等、衛生管理者その他の労働者の健康管理に関する業務に従事する者をいう。)以外の者に健康情報を取り扱わせる時は、これらの者が取り扱う健康情報が利用目的の達成に必要な範囲に限定されるよう、必要に応じて健康情報の内容を適切に加工した上で提供する等の措置を講ずる必要がある。
ホ 健康診断結果の記録の保存
事業者は、労働安全衛生法第66条の3及び第103条の規定に基づき、健康診断結果の記録を保存しなければならない。記録の保存には、書面による保存及び電磁的記録による保存があり、電磁的記録による保存を行う場合は、厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)に基づき適切な保存を行う必要がある。また、健康診断結果には医療に関する情報が含まれることから、事業者は安全管理措置等について「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照することが望ましい。
また、二次健康診断の結果については、事業者にその保存が義務付けられているものではないが、 継続的に健康管理を行うことができるよう、保存することが望ましい。
なお、保存に当たっては、当該労働者の同意を得ることが必要である。
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【 更新日: 2011-10-22】