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1 主旨
産業構造の変化、働き方の多様化を背景とした労働時間分布の長短二極化、高齢化の進展等労働者を取り巻く環境は大きく変化してきている。その中で、脳・心臓疾患につながる所見を始めとして何らかの異常の所見があると認められる労働者が5割近くに及ぶ状況にあり、仕事や職場生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合も年々増加している。さらに、労働者が業務上の事由によって脳・心臓疾患を発症し突然死等の重大な事態に至る「過労死」等の事案が増加する傾向にあり、社会的にも大きな問題となっていることから、平成19年の労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)改正において、脳・心臓疾患のリスクをより適切に評価する健康診断項目を追加するなどの措置を講じたところである。
このような状況の中で、労働者が職業生活の全期間を通して健康で働くことができるようにするためには、事業者が労働者の健康状態を的確に把握し、その結果に基づき、医学的知見を踏まえて、労働者の健康管理を適切に講ずることが不可欠である。そのためには、事業者は、健康診断(労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条の2の規定に基づく深夜業に従事する労働者が自ら受けた健康診断(以下「自発的健診」という。)及び労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第26条第2項第1号の規定に基づく二次健康診断(以下「二次健康診断」という。)を含む。)の結果、異常の所見があると診断された労働者について、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について聴取した医師又は歯科医師(以下「医師等」という。)の意見を十分勘案し、必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備、当該医師等の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会(以下「衛生委員会等」という。)又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成4年法律第90号)第7条第1項に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。以下同じ。)への報告その他の適切な措置を講ずる必要がある(以下、事業者が講ずる必要があるこれらの措置を「就業上の措置」という。)。
また、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の趣旨を踏まえ、健康診断の結果等の個々の労働者の健康に関する個人情報(以下「健康情報」という。)については、特にその適正な取扱いの確保を図る必要がある。
この指針は、健康診断の結果に基づく就業上の措置が、適切かつ有効に実施されるため、就業上の措置の決定・実施の手順に従って、健康診断の実施、健康診断の結果についての医師等からの意見の聴取、 就業上の措置の決定、健康情報の適正な取扱い等についての留意事項を定めたものである。
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【 更新日: 2011-10-22】