ホーム>学習コーナー>学習コーナー>防じんマスクの選択、使用等について>第一:事業者が留意する事項>2 防じんマスクの選択に当たっての留意事項

2 防じんマスクの選択に当たっての留意事項

防じんマスクの選択に当たっては、次の事項に留意すること。

(1)防じんマスクは、機械等検定規則(昭和47年労働省令第45号)第14条の規定に基づき面体及びろ過材ごと(使い捨て式防じんマスクにあっては面体ごと)に付されている型式検定合格標章により型式検定合格品であることを確認すること。

(2)労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第592条の5、鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号。以下「鉛則」という。)第58条、特定化学物質等障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)第43条、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)第38条及び粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号。以下「粉じん則」という。)第27条のほか労働安全衛生法令に定める呼吸用保護具のうち防じんマスクについては、粉じん等の種類及び作業内容に応じ、別紙の表に示す防じんマスクの規格第1条第3項に定める性能を有するものであること。

(3)次の事項について留意の上、防じんマスクの性能が記載されている取扱説明書等を参考に、それぞれの作業に適した防じんマスクを選ぶこと。

ア 粉じん等の種類及び作業内容の区分並びにオイルミスト等の混在の有無の区分のうち、複数の性能の防じんマスクを使用させることが可能な区分であっても、作業環境中の粉じん等の種類、作業内容、粉じん等の発散状況、作業時のばく露の危険性の程度等を考慮した上で、適切な区分の防じんマスクを選ぶこと。高濃度ばく露のおそれがあると認められるときは、できるだけ粉じん捕集効率が高く、かつ、排気弁の動的漏れ率が低いものを選ぶこと。さらに、顔面とマスクの面体の高い密着性が要求される有害性の高い物質を取り扱う作業については、取替え式の防じんマスクを選ぶこと。

イ 粉じん等の種類及び作業内容の区分並びにオイルミスト等の混在の有無の区分のうち、複数の性能の防じんマスクを使用させることが可能な区分については、作業内容、作業強度等を考慮し、防じんマスクの重量、吸気抵抗、排気抵抗等が当該作業に適したものを選ぶこと。具体的には、吸気抵抗及び排気抵抗が低いほど呼吸が楽にできることから、作業強度が強い場合にあっては、吸気抵抗及び排気抵抗ができるだけ低いものを選ぶこと。

ウ ろ過材を有効に使用することのできる時間は、作業環境中の粉じん等の種類、粒径、発散状況及び濃度に影響を受けるため、これらの要因を考慮して選択すること。吸気抵抗上昇値が高いものほど目詰まりが早く、より短時間で息苦しくなることから、有効に使用することのできる時間は短くなること。また、防じんマスクは一般に粉じん等を捕集するに従って吸気抵抗が高くなるが、RS1、RS2、RS3、DS1、DS2又はDS3の防じんマスクでは、オイルミスト等が堆積した場合に吸気抵抗が変化せずに急激に粒子捕集効率が低下するもの、また、RL1、RL2、RL3、DL1、DL2又はDL3の防じんマスクでも多量のオイルミスト等の堆積により粒子捕集効率が低下するものがあるので、吸気抵抗の上昇のみを使用限度の判断基準にしないこと。

(4)防じんマスクの顔面への密着性の確認

  粒子捕集効率の高い防じんマスクであっても、着用者の顔面と防じんマスクの面体との密着が十分でなく漏れがあると、粉じんの吸入を防ぐ効果が低下するため、防じんマスクの面体は、着用者の顔面に合った形状及び寸法の接顔部を有するものを選択すること。特に、ろ過材の粒子捕集効率が高くなるほど、粉じんの吸入を防ぐ効果を上げるためには、密着性を確保する必要があること。そのため、以下の方法又はこれと同等以上の方法により、各着用者に顔面への密着性の良否を確認させること。なお、大気中の粉じん、塩化ナトリウムエアロゾル、サッカリンエアロゾル等を用いて密着性の良否を確認する機器もあるので、これらを可能な限り利用し、良好な密着性を確保すること。

ア 取替え式防じんマスクの場合

  作業時に着用する場合と同じように、防じんマスクを着用させる。なお、保護帽、保護眼鏡等の着用が必要な作業にあっては、保護帽、保護眼鏡等も同時に着用させる。その後、いずれかの方法により密着性を確認させること。

(ア) 陰圧法

  防じんマスクの面体を顔面に押しつけないように、フィットチェッカー等を用いて吸気口をふさぐ。息を吸って、防じんマスクの面体と顔面との隙間から空気が面体内に漏れ込まず、面体が顔面に吸いつけられるかどうかを確認する。

(イ) 陽圧法

  防じんマスクの面体を顔面に押しつけないように、フィットチェッカー等を用いて排気口をふさぐ。息を吐いて、空気が面体内から流出せず、面体内に呼気が滞留することによって面体が膨張するかどうかを確認する。

イ 使い捨て式防じんマスクの場合使い捨て式防じんマスクの取扱説明書等に記載されている漏れ率のデータを参考とし、個々の着用者に合った大きさ、形状のものを選択すること。

サイト内検索
 

【 更新日: 2011-10-22

このページの一番上に戻る