ホーム>学習コーナー>職業性疾病>職場における腰痛予防対策指針別紙:II 重症心身障害児施設等における介護作業
別紙:II 重症心身障害児施設等における介護作業
重症心身障害児施設等で、入所児、入所者等(以下「入所児等」という。)の介護を行わせる場合には、姿勢の固定、中腰で行う作業や重心移動等の繰り返し、重量の負荷等により、労働者に対して腰部に静的又は動的に過重な負担が持続的に、又は反復して加わることがあり、これが腰痛の大きな要因となる。このため、次の措置を講ずることにより、作業負担の軽減を図ること。
なお、肢体不自由児施設、特別養護老人ホーム等における介護に係る腰痛の予防についても、次の措置に準じ、実情に応じた対策を講ずるよう努めること。
1 作業姿勢、動作
中腰で行う作業や腰をひねった姿勢を長く保つ作業等を行わせる場合には、適宜小休止・休息をとる、他の作業と組み合わせる等により、同一姿勢を長時間続けないようにさせること。
(1) 介護の方法
介護のために入所児等を床面又はベッドからかかえた状態で作業を行わせるときの作業姿勢はⅠによること。また、体重の重い入所児等の体位の変換、移動等は、複数の者で行わせること。
(2) 食事介助の方法
食事の介助を行う者に対しては、ベッドに横座りすることを避け、椅子に座って入所児等に正面を向くか、ベッド上でいわゆる膝まくらの姿勢を取らせること。ただし、同一の姿勢を長く続けさせないこと。
2 作業標準
使用機器、作業方法等に応じた作業標準を策定すること。また、作業標準には、入所児等の身体等の状態別、作業の種類別の作業手順、役割分担、作業場所等についても明記すること。
3 介護者の適正配置
介護者の数は、施設の構造、勤務体制、療育内容及び入所児等の心身の状況に応じた適正なものとするよう努めること。 なお、やむを得ない理由で、一時的に繁忙な事態が生じた場合は、介護者の配置を随時変更する等により、腰部負担の大きい業務が特定の介護者に集中しないように十分配慮すること。
4 施設及び設備の構造等の改善
不適切な施設及び設備は、作業姿勢に密接に関係するので、適切な介護設備、機器等の導入を図るとともに、介護に関連した業務を行うために必要な施設、機器等についても適切なものを整備すること。 また、作業姿勢を適正化するため、実際の作業状況を検討し、次の改善を図ること。
(1) 室の構造等
入所児等の移送は、できるだけストレッチャーによって行うようにし、通路及び各部屋にはストレッチャーの移動の障害となるような段差等を設けないこと。
(2) 浴槽の構造等
イ 浴槽、洗身台、シャワー設備等の配置は、介護者の無用の移動をできるだけ尐なくするようなものとすること。
ロ 浴槽の縁、洗身台及びシャワーの高さ等は、介護者の身長に適合するものとすること。なお、これらの高さが適切でないこととなる介護者に対しては、滑りにくい踏み板等を使用させることも考慮すること。
ハ 移動式洗身台、ローラコンベヤー付き洗身台、移動浴槽、リフト等の介助機器の導入を図ること。
(3) ベッドの構造等
ベッドの高さは、入所児等の身体状況等も考慮し、介護者の身長に適合するものとすること。なお、これらの高さが適切でないこととなる介護者に対しては、履物、踏み板等を使用させることも考慮すること。
(4) 付帯設備等
介護中に利用できる背もたれのある椅子や堅めのソファー等を適宜配置し、くつろいで座れるようにすること。また、介護に必要な用具等は、出し入れしやすい場所に収納すること。
(5) 休憩
休憩設備は、労働者の数及び勤務体制を考慮し、利用に便利で、かつ、くつろげるものとすることが望ましい。
5 その他
腹圧を上げるため、必要に応じ、腰部保護ベルト、腹帯等を使用させること。
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【 更新日: 2011-10-22】