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第1種と第2種の違い

 衛生管理者には、その業務範囲の違いで、第1種と第2種があります。

すべてをカバーする第1種

 第1種衛生管理者の業務は、第2種衛生管理者の業務をすべて含みます。さらに、有害業務に係るものを管理できます。

 すなわち、第2種衛生管理者は、第1種から有害業務に係るものを除いたものが、その業務になります。要するに、第2種衛生管理者は、第1種衛生管理者よりも、業務範囲が狭まります。

 衛生管理者を選任しなければならない規模の事業場が、有害業務に係るものを行っていない場合には、第2種を選任すればいいことになります。

有害業務とは

  1. 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
  2. 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
  3. ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線に晒される業務
  4. 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
  5. 異常気圧下における業務
  6. 削岩機、鋲打機等の使用によって身体に著しい振動を与える業務
  7. 重量物の取り扱い等重激な業務
  8. ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
  9. 坑内における業務
  10. 深夜業を含む業務
  11. 水銀、砒素、黄燐、フッ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、カ性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
  12. 鉛、水銀、クロム、砒素、黄燐、フッ化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、生産、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
  13. 病原体によって汚染のおそれが著しい業務
  14. その他厚生労働大臣が定める業務

試験範囲が狭い第2種

 第2種衛生管理者は、有害業務に係るものを除くため、試験においても有害業務関係の問題は出題されません。そのため、勉強する範囲は狭くなり、第1種の半分くらいの量になります。試験もとても簡単です。

 衛生管理者試験を受ける際に、テキストとされているのが、中央労働災害防止協会が出版している、「新/衛生管理(上・下)」という書籍です。このページ数で換算すると、第1種のテキストの総量は1000ページですが、第2種ではその半分ほどになります。

 また、試験でもっとも厄介な部分は、有害業務関連の暗記です。つまり、第1種の試験は有害物質の名前などを単純に暗記しなければならない項目が増えるのに対し、第2種にはそういった単純暗記が少なく、文脈を理解していくことで、感覚的に正誤がわかるようになるので、勉強はとても楽なものという印象があります。

とれるものなら第1種を

 ここまで聞けば、もし有害な物質を使った業務を行っていない会社であれば、面倒な勉強をする量が減るので、第2種をとろうと思うでしょう。しかし、第1種をとっておけば、どの会社にいっても通用する資格になります。とらせてもらえるのであれば、第1種を取っておくことをお薦めします。

 衛生管理者の資格をとっておけば、資格手当てがつく会社もあるかもしれません。また、労働環境の劣悪さについての報道が増えている昨今では、衛生管理者はこれから重要な資格として脚光を浴びるかもしれません。

 今のところ、衛生管理者資格は、更新制ではないため、一度とってしまえば永年通用します。簡単な試験である今の内にとってしまうのが、得策ではないでしょうか。

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【 更新日: 2011-10-22

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